<お知らせ>

当事務所では、個人情報保護の観点から、ご依頼のあった案件を公にすることはありません。

 お問い合わせ内容や受託した案件について、具体的に紹介することは控えております。

 下記ケーススタディは、障害年金に該当するのはこういうケースです、ということをご参考に紹介しています。


ケーススタディ 1

 【悪性腫瘍で治療中のAさん】

  • 会社員のAさんは56歳。8年前に食道ガンと診断され手術を受けて職場復帰していました。
  • 3年前に他臓器に転移が確認されて再手術しましたが、職場復帰は難しく、1年間の休職後、退職しました。現在、自宅療養中です。
  • 1年間の休職中は、健康保険から傷病手当金が支給されていました。半年後に傷病手当金も終了するため、障害年金の請求を代理申請しました。
  • 事後重症で、障害厚生年金2級が支給されています。

【ポイント】

  • がんの障害認定は、他の病気と比較すると厳しい傾向があります。
  • がんの場合は、初診日から1年6ヶ月後の「障害認定日」において、治療を終えて職場復帰していることが多いため、事後重症請求になる傾向があります。
  • 健康保険の傷病手当金と障害年金は調整があるため、重なって受給した期間は、健康保険へ返却する必要があります。

ケーススタディ 2

 脳梗塞で療養中のBさん】

  • 自営業のBさんは59歳。25年前に脳梗塞で倒れて病院に搬送されましたが、左半身に麻痺が残ってしまいました。働くことは困難で、介護施設に入所しています。
  • 搬送先の病院で、初診日のカルテが残っていたため、初診日の証明が取れました。
  • 障害認定日の病院でもカルテが残っており、5年間の遡及請求が可能となりました。
  • 障害認定日請求で、障害基礎年金1級が支給されています。

【ポイント】

  • 25年前の初診日のカルテと初診日から1年6ヶ月の障害認定日のカルテの両方が残っていたため、助かりました。
  • もし、カルテが残っていなかったとしても、身体障害者手帳申請時の診断書があれば、初診日の証明や障害認定日の症状が確認できる可能性があります。
  • 身体障害者手帳申請時の診断書は、都道府県へ個人情報開示請求をすることで入手できる可能性があります。

ケーススタディ 3

 【うつ病で治療中のCさん】

  • 会社員のCさんは38歳。3年前に会社のストレスでうつ病にかかり、半年間休職していました。
  • 休職中は健康保険から傷病手当金が支給されていました。
  • 一度は職場復帰しましたが、再発し、その後の回復に時間がかかり、職場復帰が難しくなり、退職しました。現在、自宅療養中です。
  • 障害認定日頃は、再発後で職場復帰が難しくなっていました。
  • 障害認定日請求を行い、遡及して障害厚生年金2級が支給されていますが、将来の職場復帰を目指しています。

【ポイント】

  • うつ病などの精神疾患は、症状に波があり、休職と復職を繰り返す傾向があります。
  • 休職中は健康保険から傷病手当金が支給され、障害年金と重なった期間は調整されます(健康保険へ返却することになります)。
  • 障害者雇用、短時間勤務など就労に支障があれば、3級認定されます。
  • 精神疾患で休職中や退職しているなら、2級認定される可能性があります。

ケーススタディ 4

難病で治療中のDさん】

  • 会社員のDさんは仕事を続けながら治療中です。
  • 長い間、治療日と治療の翌日は体調悪化のため、会社を休んでいました。
  • 事後重症3級を受給していましたが、障害認定日でも同じ状態だったことがわかり、障害認定日請求を行いました。
  • 結果、3級の年金額を遡及して支給することが認められました。

【ポイント】

  • 就労に支障がある状態とは、毎回、治療後に数日会社を休んでいる状態や出社しても体調不良で会社で横になる状態であれば、該当する可能性があります。
  • 事後重症請求後に、改めて、障害認定日請求を行うことは可能です。
  • ただし、事後重症で受給して5年経過しているなら、時効のため、障害認定日請求を行うメリットはありません。

ケーススタディ 5

【高次脳機能障害で治療中のEさん】

  • 会社員のEさんは7年前に業務上の交通事故で受傷しました。
  • 障害認定日時点では精神科の治療は受けていませんでしたが、明らかな高次脳機能障害は当時の医師(整形外科)により認められていました。
  • 精神科医でない医師に診断書を作成いただき、障害認定日請求を行いました。
  • 結果、2級の年金額を遡及して受給できました。

【ポイント】

  • 高次脳機能障害は、確定診断までに時間がかかる傾向があります。
  • 専門医以外の医師でも、高次脳機能障害の症状を認め、カルテに記載していれば、障害認定日の診断書を作成してもらえる可能性があります。
  • 高次脳機能障害は、精神科医でなくても診断書を作成できます。ただし、眼科や耳鼻咽喉科など高次脳機能障害と無関係な科では、カルテに記載されているかを問われることがあります。

ケーススタディ 6

慢性腎不全で人工透析中のFさん】

  • 会社員のFさんは30年前に会社の健康診断で糖尿病を指摘されました。
  • 旧法該当(昭和61年3月まで旧法)のため、障害厚生年金は発病日を確認する必要がありました。
  • しかし、カルテも健康診断の結果も保存がありません。
  • 現在の医師が保管している紹介状を頼りに遡っていくと、その前の紹介状が見つかり会社の健康診断の時期の記載がありました。
  • ようやく初診日(発病日)が証明でき、事後重症請求で障害厚生年金2級を受給できました。
  • しかし、人工透析開始より15年も経過しており「早期に障害年金を請求していたら」と、事後重症請求しかできなかったことが悔やまれます。

【ポイント】

  • 慢性腎不全は初診日の確認が難しい傾向があります。
  • 健康診断の結果が会社や自宅に残っていれば、証明書類になります。
  • 残っている一番古い記録を辿っていくことが重要です。
  • 慢性腎不全では、初診日から1年6ヶ月後の障害認定日に障害等級に該当することは稀で、多くの場合、事後重症請求になります
  • 事後重症請求は、提出した翌月から支給開始となるため、初診日確認にあまり時間をとられないように、1ヶ月でも早く請求することがポイントです。